シルク
シルクの絨毯に用いられる絹糸ですが、実際にどのようにして糸になっていくのかご存知ですか?
上質の絹糸で仕上げられた絨毯は、まさに宝石そのものの輝きをしています。ソファー前に敷いたり、玄関先に敷き、来客をあっと言わせたり、寝室でラグジュアリーな気分を味わうのにももってこいの絨毯であるといえます。ペルシャ絨毯のシルクメイドは、絨毯とは思えないほどの輝きと発色を発しているため、高級品でありながら売れ筋商品の一つです。
ペルシャ絨毯は手織りで仕上げられているため、質も良く末長く一緒に生活をすることができるので、将来の資産として購入される方が後を立ちません。あの細い糸を一つ一つ手で編んでいくので鮮やかな色合いがそのまま光沢と一緒に反映されるのです。
では、絹糸の仕上がりは一体どのような工程を辿って、絨毯になっていくのでしょうか?
昔からの高級品 絹糸ができるまで
絹糸の元となる繭を生み出す蚕は、桑の葉っぱを食して成長していきます。桑の葉には、タンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルなど、蚕の成長に必要な栄養素がたっぷりと含まれています。そんな桑の葉を食しながら成長する蚕は、一生の間に 卵→蚕→さなぎ→成虫へとその姿を変えていきます。
オスの蚕とメスの蚕を後尾させたのちに、メスの蚕を取り出し糊を付着させた紙の上に蚕の産卵を促します。体調3ミリほどの孵化した蚕は小さな幼虫ですが、約25日間という短い期間に脱皮を4回も繰り返し、3センチから1万倍の大きさに成長していきます。
身体がどんどん透き通り始めた主食である桑の葉っぱを餌としなくなった蚕は、仕切られたまぶし(箱の中に仕切りがたくさん詰められたもの)にそれぞれ振り分けられます。一つ一つの仕切りの中で安全に守られた蚕は、糸を吐き出して繭を作り、その繭の中で脱皮します。蚕が成虫になる前にこの繭は、製糸の工程へといくのです。
数個の乾燥させた繭から解した糸を合わせていき「生糸」を作ります。
乾燥→選繭→煮繭→繰糸→湯返しの順で糸が仕上がっていきます。最初の感想の工程でカビてしまい、糸にならない場合もあります。素晴らしい性質を保つのに1ヶ月以上も温度と湿度が管理された貯蔵します。その後、選繭が行われ製糸に向かない繭や汚れた繭などは取り除いていきます。この時取り除かれた糸も、絨毯には使用することはなく、他の用途で利用されます。その後煮繭で絡みあった繭を一つ一つほぐしていきます。そしていよいよ操糸の段階に入っていきます。
煮ることで解れやすくなった繭の表面を、稲の穂先で作ったホウキで優しく撫でていきながら糸ぐちを探していきます。ここで、目的にあった糸の太さと長さの糸に仕上げていきます。そして最終段階の揚返となり、無理に引き延ばされている糸を本来の状態へ戻し、強さ、光沢、柔軟性、風合いなどを整えます。その後染色に入るのです。
ペルシャ絨毯 シルクの輝き
天然素材で染色されたシルクの糸を、どんどん絨毯へと織り上げていきます。この時に洗いや染色が不十分なままですと、色むらの原因となって絨毯のデザインが綺麗にまとまらなくなってしまいます。1平方メートル織り上げるのに、200日かかると言われているシルクのペルシャ絨毯は、織っただけでは完成とはいきません。
織り上がった絨毯をさらに洗浄→乾燥→シェアリング(絨毯の表面を均等にカットしていきます)そして絨毛と同じように最後にブラッシングで表面をさらに整えて完成となります。
色鮮やかなシルクのペルシャ絨毯が、なぜ高級品であるか、そして世代超えた資産として人気があることがこのことから伺えるといえます。