イランのお正月 ノウルーズ
中国や韓国に旧正月がある様に、イランもお正月は日本の春分の日にやってきます。ですので、日本でお祝いしている1月1日は、イランでは普段と変わらない生活をしています。
例年日本の春分の日と同じ日に行われ、秒単位で細かく計算されて年が明けていきます。日本国内においても、イラン・イスラム共和国の大使館では盛大にパーティが開催されています。 日本と同様、大掃除の習慣もあり、正月(ノウルーズ)の1週間前より新年に向けて準備が始まります。この大掃除ではカーペットをはじめ隅から隅まで綺麗に掃除を行います。
お正月 キーワードは「S」
イランではお正月に「S」がつくものが縁起が良いとされています。ペルシャ語では"7つのハフト・スィーン((Haft Sīn:7つのS)"と呼ばれており、りんご、ニンニク、麦芽で作られたお菓子のサマヌ、硬貨(セッケ)、酢(セルケ)、赤い香辛料(ソマーグ)、ななかまどの実(センジェド)、ヒヤシンスなどをお皿に盛り付けます。りんごは美容、酢は長寿などと全ての品にはそれぞれ意味があります。縁起物とされる金魚やイスラム教の聖典コーランなども飾られます。
日本の七福神や七草粥などと少し似ていますね。まとめてみると、
- Sabzeh (sabzeh、سبزه)青草:自然と人間の生活の結びつき
- Samanu (Samanū、سمنو)小麦からつくられた甘いデザート:富の象徴、植物の生育と実りの象徴
- Senjed(Senjed、سنجد)野生のオリーブスイーツ:愛の象徴
- Seer (sīr、سیر)ガーリック:健康の象徴
- Seeb(sīb、سیب) りんご:美の象徴
- Somaq (en、ウルシ科)スマック(赤色の果物) 日の出の色の象徴
- Serkeh (serke、سرکه)酢:老齢の象
となります。 この他にも、卵:想像の象徴、鏡:統一や明るさの象徴、水:恩恵の象徴、金魚:活力や人生の強調、硬貨:商売繁盛や投資の象徴、キャンドル:明るさや光そして熱の象徴、杉の木の枝、水仙の花、砂糖菓子やクルハーンなどを装飾します。
火の儀式
チャハールシャンベ・スーリーでは、広い空き地や庭などの場所で、焚き火を起こし、火の上を飛び越える儀式も行われます。この儀式は健康を祈願して行われ、神聖な火を用いて新年に移り変わる前に自分に関わる不幸を清算し、悲しみや心配事を取り除く儀式です。これは、年末最後の水曜日の日没に行われます。
この他にも儀式は様々あります。モスクのミナレットの下に座り、チャードルの端に錠を締めることによる開運祈る儀式、皮なめし工場の窪みでくるみを割り、ろうそくを点すことによる開運祈願をする儀式など、女性のみが参加可能な儀式もある。