中国や韓国に旧正月がある様に、イランもお正月は日本の春分の日にやってきます。ですので、日本でお祝いしている1月1日は、イランでは普段と変わらない生活をしています。 例年日本の春分の日と同じ日に行われ、秒単位で細かく計算されて年が明けていきます。日本国内においても、イラン・イスラム共和国の大使館では盛大にパーティが開催されています。 日本と同様、大掃除の習慣もあり、正月(ノウルーズ)の1週間前より新年に向けて準備が始まります。この大掃除ではカーペットをはじめ隅から隅まで綺麗に掃除を行います。 お正月 キーワードは「S」 イランではお正月に「S」がつくものが縁起が良いとされています。ペルシャ語では"7つのハフト・スィーン((Haft Sīn:7つのS)"と呼ばれており、り...
イラン産業とCOVID-19- コロナウィルスが世界中を襲い、各国の製造業は悲鳴をあげています。 イランにおいては、経済制裁の真只中に起こってしまった悲劇ともいえます。 イラン産業とは? 経済政策に対するイランの環境とは? 保険においては惜しみなく積極的に参加しているイラン。どうやら光が見え隠れしているようです イラン産業 砂漠の国と呼ばれているイランの首都テヘランには、高原が広がり、また地方によっては砂漠であったり雪山であったりするところもあります。また、カスピ海沿岸地方では、水田があり稲作も盛んでとても魅力的な国です。 日本の高度経済成長を支えたのは、イランの石油であるというほど日本とは親交があり、また、国民性も似ているところがあるといわれています。例えば、日本でいう「お疲れ様です」など...
伝統工芸品とユネスコ イランの伝統的工芸品の一つである、ペルシャ絨毯に纏わるある儀式がユネスコ文化遺産へ登録されたのはご存知でしょうか? 世界遺産への登録基準は厳しく、大きく分けて文化遺産、自然遺産、複合遺産に分かれ、その中の文化遺産で無形文化遺産へ登録されました。 無形文化遺産へ登録された、儀式とは一体何なのでしょうか? ユネスコ無形文化遺産の儀式 ペルシャ語で絨毯洗いと呼ばれている儀式、「ガーリシュヤーン」が世界遺産として登録されました。これは宗教にまつわる絨毯洗いの儀式で、毎年10月の選ばれた金曜日、イラン歴の7月第二金曜日にイランの中部にあるカーシャーンで行われます。 カーシャーンとその近郊の人々は、遥か昔よりイスラム予言者であるムハンマドールを敬愛しており、絨毯の街、カーシャーンは...
絹の道 〜シルクロード〜 アジア、インド亜大陸、中央アジア、西アジアの古代社会を結ぶ絹の道、ペルシア語でラーへ・アブリシャームと呼ばれるシルクロードは、直線距離にして約7500キロメートル、それぞれのルートを合算すると35000キロメートルを超える長さのこの道で、昔より多種多様な文化や宗教、そして産業まで各国に影響をもたらされてきました。イランはオリエント時代からの長い歴史を持つ、シルクロード時代の文化交流の中継地でした。 中でも絹製品が多く取引され、インドや西アジアの国々から当時のローマ帝国まで商いや文化が運ばれており、ユーラシア大陸を結ぶこの絹の道、シルクロードは、経済発展のみならず文明発展ニーム 」医療発展、宗教、そして文化など、数々のアイデアが分け合われてきた東西交易路でもあります。...
歴史の中で一番古いとされている絨毯。それがペルシャ絨毯です。現代ではパイル生地を利用した絨毯も販売されていますが、本来のペルシャ絨毯とは絨毛を固めて製作されたものを指します。 ペルシャ絨毯とは"イランで織られている絨毯"で、「イランで作られている絨毯」がペルシャ絨毯となり、歴史上最初に製作されたものと、近年販売されている絨毯では少し仕様が異なる部分はあるものの、その存在価値や高級感には変わりはありません。 しかし、絨毯が初めて発見されたのは生産地であるイランではありませんでした。 ペルシャ絨毯の発端 ロシアの考古学社によって、1949年にシベリアのアルタイ山脈でスキタイ王族古墳より、劣化がそれほど進んでいない絨毯が発掘されました。B C5世紀頃のものであると発見されたこの絨毯、羊毛やラクダの...