アリヤギャラリーペルシャ絨毯専門店 大阪

伝統工芸品とユネスコ

unesco イランとユネスコ

伝統工芸品とユネスコ

イランの伝統的工芸品の一つである、ペルシャ絨毯に纏わるある儀式がユネスコ文化遺産へ登録されたのはご存知でしょうか?

世界遺産への登録基準は厳しく、大きく分けて文化遺産、自然遺産、複合遺産に分かれ、その中の文化遺産で無形文化遺産へ登録されました。

無形文化遺産へ登録された、儀式とは一体何なのでしょうか?

ユネスコ無形文化遺産の儀式

ペルシャ語で絨毯洗いと呼ばれている儀式、「ガーリシュヤーン」が世界遺産として登録されました。これは宗教にまつわる絨毯洗いの儀式で、毎年10月の選ばれた金曜日、イラン歴の7月第二金曜日にイランの中部にあるカーシャーンで行われます。
カーシャーンとその近郊の人々は、遥か昔よりイスラム予言者であるムハンマドールを敬愛しており、絨毯の街、カーシャーンはシーア派イスラム教の中心地としても有名です。

ガーリシュヤーンの発端

5代目イマーム・ムハンマドバールは、一人息子のアリーを宗教指導者としてカーシャーンの街へ送り出します。彼は人徳を備えており、清らかで高貴な性格から人々に愛されていました。このアリーと、当時の暴虐政権ウマイヤ朝とは決して意見が合うことはなく、折り合うこともなかったそうです。

ある日、カーシャーン近郊の村、フィーンの人々のもとへアリーが包囲されたという知らせが入り、人々は武器を持って、暴虐政権でありアリーを包囲したウマイヤ政権との戦いに出かけますが、人々が到着した際には、アリーは無残な姿で亡くなっていたそうです。西暦734年のことでした。

このアリーの亡骸を絨毯の中央に置き、泉の水で洗浄し埋葬したといわれています。

その年以来、毎年、カーシャーンの街とその近郊の人々は、アリーという偉人を祭り絨毯洗いの儀式を行うようになりました。それがガーリシュヤーンです。

ガーリシュヤーンを行うのは、村の人々の手によってのみ行われますが、イラン各地より人々が参加者として集まり、およそ毎年20万人以上が参加するといわれています。シーア派5代目イマーム・ムハンマドバーゲルの息子アリーの遺体は、偉人たちが眠るイマームザーデに今も眠っています。

この街は古くから工芸の街として知られており、陶器や絹織物が生産されていました。サファヴィー朝時代に作られた教に言い伝えられている、名品絨毯も多く、その洗礼された美しさに定評があります。伝統を守るカーシャーン の人々が作り出す、ペルシャ絨毯は伝統的な模様が多く、メダリオンのラチャク・トラジンや全面アラベスクのアフシャーンなどがとても有名です。

イランの世界遺産

チョガ・ザンビール

1979年にイランで初めて世界遺産に登録されたのが「チョガ・ザンビール」。イラン西ペルシャ湾に面したフーセンスタン州に残る古代遺跡の世界遺産です。
この遺跡は、紀元前1200年ごろに古代メソポタミアの国家エラムによって建造されました。

ペルセポリス

1979年に登録されたペルセポリスじゃ中西部シラーズ近郊にある世界遺産です。アケメネス朝ペルシャ帝国の都で、新年を祝うために建築されたといわれています。ここは宗教の中心として利用されていたと語り継がれていますが、紀元前331年アレクサンドロス大王の攻撃によって、破壊されてしまいますが、現在まで形を残しています。

イスファンのイマーム広場

テヘランから南に340キロ下ると、イスファンの街があります。16世記サファヴィー朝の時代に首都とされていました。この街の中心の象徴であるのがイマーム広場で、世界の半分があると絶賛されている世界遺産ともいわれています。

タフテソレイマン

テヘランから西へ400キロ、ソロモンの王座の意味をしており、旧約聖書に登場するソロモン王が、ここに怪物を閉じ込めたという伝説があります。3世紀のサーサーン朝によるゾロアスター教の宗教施設や、十三世紀の、モンゴル帝国時代のイルハン朝の宮殿などが残る世界遺産です。

パサルガダエ

イラン中心部のシラーズ近郊、イラン国内で最も有名な世界遺産ペルセポリスから北へ90キロ向かった場所に所在します。紀元前546年に建てられました。これは、ペルシャ王国のキュロス二世の墓とされています。

ソルターニーイェ

テヘラン北西240キロに位置するソルター二―イェは、イルハン朝8代君主オルジェイトゥの名によって建設されました。中心部はオルジェイトゥの墓です。この建築物は、インドのタージ・マハルなどの世界遺産などにも影響を与えているといわれています。

べヒストゥン碑文

紀元前500年頃のアケメネス朝ペルシア王であった、ダレイオス1世が、自分が王に即位した経緯と、正当性を表した彫刻を刻ませたといわれています。

シューシュタル

イラン西部のフーゼースターン州の州都アフヴァーズから、90キロほどのところに所在します。国土のほとんどが砂漠であるイランにおいては、珍しい水際の遺跡となります。当時最先端であった、水道設備が美しく残されています。

タブリーズのバザール

バザールが2010年に世界遺産に登録されました。東アザールバーイジャーン州にあるタブリーズは、中東最古といわれるバザールが存在します。このバザールは世界で一番長い商業施設として登録されています。

シャイフ・サフィー・アッディーン廟

14世紀の世界遺産で知られる、シャイフ・サフィー・アッディーン廟は、イラン北西部のアルダビール州の首都アルダビールに所在します。サファヴィー教団の教祖である、サフィー・アッディーン・イスハーク・アルダビーリの墓です。

ゴンバデ・カーブース

カスピ海南岸にある塔の遺跡です。この塔は全てレンガ焼きで建築されており、全長は72メートルの高さを持ちます。建築1000年を記念して2006年に世界遺産に登録されました。

スーサ

この神殿後は、紀元前4000年前にさかのぼるといわれています。1218年にモンゴルの侵略により、建物はほとんど残っていませんが、この土地には様々な遺跡が発掘され始めており、これからますます増えていくといわれています。

ルート砂漠

ケルマーン州に広がる砂漠で、自然遺産として世界遺産に登録されています。砂丘タイプの砂漠ではなく、大きな岩石が多い砂漠です。盆地になっていることから、非常に気温が高く太陽の熱を吸収しやすい黒い岩が多いのが特徴です。強風時には前が見えなくなることも。 

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